「就職氷河期」戦線からの帰還兵として

就職氷河期世代の緩和ケア

タイムラインに漂う怨嗟の声

最近、SNSのタイムラインを眺めていると、ぼそぼそとした怨嗟が漂っているのを感じます。

「初任給が上がって、今年の新卒の方が自分より高い給与スタートだった」
「結局、社会にとって氷河期世代なんていなかったことになってるんだろう」

そんな声がちらほらと流れてきます。

氷河期世代の「原風景」

自分はというと、ありがたいことにフワッとした仕事をして、それで何とか暮らしてこられました。

でも、それでも世代としての「原風景」が、あのゴリゴリの就職氷河期・超不況だったことに改めて気づかされるのです。

思い返せば、あの頃の就職戦線はまるで地獄。求人は少なく、面接は針の穴を通すような狭き門。どこかひとつ引っかかれば御の字、そんな空気でした。

就職氷河期とは?

「就職氷河期」とは、1993年頃から2005年頃まで続いた、若年層の就職が極端に困難だった時期のこと。

バブル崩壊後の経済停滞により、企業が新卒採用を大幅に抑制。1990年代後半には有効求人倍率が1.0を大きく下回る年も続きました。

有効求人倍率の数字感

たとえば1999年卒世代の有効求人倍率は0.48。つまり、100人に対して求人は48件しかなかったということ。全員が仕事に就けるはずがない戦場でした。

努力不足だったのか?

「努力しなかったのか?」という問いに

もちろん、こんな声もあります。

「不況って分かっていたなら、学生時代に英検1級でも取ればよかったのでは?」
「筋トレして肉体労働に備えるとか、選択肢はあったはず」

それも確かに一理あります。

でも、それを“世代全体”で語ろうとすると、少し話が違ってくる。

努力して勝ち抜いた一人が生き延びたとしても、世代としては誰かが必ず脱落する構造になっていたからです。

同じ面接室で、もし隣の椅子に座っていたのが“英検1級マッチョ”だったら、たぶん自分は落ちてたと思います。

バブル世代と新世代の狭間で

氷河期世代は、ちょうど団塊ジュニアにあたり、人数も多め。その上にいたのは、比較的恵まれたバブル世代。

上には席を空けない中高年がぎっしり詰まり、下からは若くて柔軟な“新世代”が突き上げてくる構図。

団塊世代の雇用を守るために

結果的に、企業は人件費の高いミドル世代の雇用維持を優先しました。

それが政策的な背景なのか、企業の判断だったのかはさておき、氷河期世代は“採られず”“育てられず”“報われず”の三重苦を味わうことに。

今さらの支援と、複雑な感情

なぜ今さら?という気持ち

最近になって「氷河期世代支援」などの政策も少しずつ出てきています。

企業への採用補助や再教育プログラムなど、一見すれば“悪い話ではない”。

でも、当事者からすると、こう思うわけです。

「いや、なぜ今さら?」

正直、もう10年以上前に必要だった話であり、人生の方向性がある程度固まり、家族や住宅ローンや健康不安などの“負荷”がのしかかってくる年齢に入った今となっては、“復帰”より“継続”のほうがずっと難しい。

初任給の上昇とジェネレーションギャップ

ちなみに、最近の新卒の初任給は軒並み上昇傾向にあります。

企業の人材確保競争や物価高も背景にあるとはいえ、20年以上前に「我慢して入った会社で必死に働いてきた」層と比べると、複雑な気持ちになるのも仕方ありません。

せめて緩和ケアを

救われないとしても

氷河期世代全体として、もはや「救われる」未来があるかというと…かなり厳しい。

個人の人生はそれぞれに可能性があるとしても、世代として「これから上向きに復活できる未来」は、もう幻想かもしれません。

いまから手厚い支援で立て直そうにも、“治療”には手遅れ感が強い。せいぜい「終盤に向けた緩和ケア」が現実的なラインなのかなと思っています。

戦友たちへ

それでも、ここまで何とか生き延びてきました。

ならばもう一歩、もう少しだけ、生き延びてみようか。

みんなで、せめて最後まで。

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