ADHD 仕事無双の時代が到来か?1000の妄想が秀才を圧倒する予感
何度目の正直かで、ついに!?
「ADHDは天才か?」
「向いている仕事って、何だろう?」
そんな記事を、これまで何度も見かけてきた。実際に非凡な才能を発揮する方もいるのだろう。
けれど、多くの場合は「ちょっと特性が強め」という程度でありながら、日常的にかなり厳しい戦いを強いられているケースが多いのではないかと感じる。
なにせこの社会は、多人数で一つのことを成し遂げる場面が多い。
そこでは「約束」「配慮」「信頼」といった、暗黙のルールが基本にある。こうしたルールとADHD的な特性がなかなか噛み合わず、生きづらさを抱えている人も少なくないように思える。
だが、もしかすると今、状況が大きく変わろうとしているのかもしれない。
AIという相棒の存在によって。
ADHDとは?
ADHD(注意欠如・多動症)は、「不注意」「多動性」「衝動性」といった特性を持つ神経発達症のひとつ。
子どもの頃に診断されることが多いが、大人になっても症状が続く場合がある。集中が難しい、整理整頓が苦手、思いつきで行動してしまうといった傾向がある一方で、強い好奇心や創造的な発想を持つ人も多い。
「まともさ」が求められる社会のなかで
ADHD的な特性を持つ人々は、しばしば「集中力が続かない」「忘れ物が多い」「思いつきで動いてしまう」といった印象を持たれる。
だが同時に、「アイディアが豊富」「発想がユニーク」「好奇心が旺盛」という側面もある。
その両面性が、ときに過小評価されてしまう。
仕事や社会活動のなかで“評価される人”になるには、「きちんとしている」ことが前提で、そこから外れると一気に信用が揺らぐ。
「頼んだ仕事を最後までやり切れるか?」
「締め切りを守れるか?」
「予定をきちんと調整できるか?」
こうした基準に照らせば、たとえ発想が優れていても、「扱いづらい人」と見なされてしまうのも無理はない。
それは個々の能力の問題というより、社会側がまだその多様性に歩み寄れていないだけとも言える。
AIという“超優秀な実務者かつ人格者”
そうした状況に一石を投じつつあるのが、近年急速に進化しているAIだ。
たとえば、「ふと思いついたこと」をふわっと投げても、AIは“そこそこ”のレベルで、それも圧倒的なスピードでアウトプットを返してくる。
しかも、途中で止まったり、飽きて他のことに興味が移る前に、一定の成果物が手に入ってしまう。これは非常に大きな変化だ。
AIは実務の担い手として優秀であるだけでなく、どんな突拍子もないアイディアや曖昧な指示でも、否定せず受け止めてくれる。
「なぜそんなこともできないのか?」「理由を説明して」などと詰め寄ってくることもない。
むしろ、「こういうことですね」と冷静に咀嚼し、たとえ妄想のようなアイディアでもプロトタイプとして可視化する力がある。
これまでは、アイディアを試すために必要だった“時間的・金銭的・人的・精神的”コストが高く、それが現実との壁になっていた。だが今では、その壁がぐっと低くなってきている。
妄想1000本ノックの時代
ADHD的な発想スタイルの特徴として、「次々に思いつく」「すぐ連想が広がる」「会話が飛ぶ」などが挙げられる。
これまでは、その“まとまりのなさ”がネックになることが多かった。
しかしAIは、そのカオスの中から2〜3本の“光る種”を見出し、それを形にする作業を担ってくれる。
いわば、「自由奔放な脳」と「真面目で根気強い実務者」との組み合わせが、理想的な補完関係を生み出しているわけだ。
このように考えると、世の中が「一発必中の完璧な企画」よりも、「1000本の妄想のなかに2つの宝がある世界」へとシフトしてきたとも言える。
従来の組織や評価体系では評価されにくかったADHD的なアイディアや連想力が、新しい時代の価値として再評価される可能性は十分にある。
働き方が変わる未来へ
今後は、「落ち着きがない」ではなく「複数の刺激に敏感に反応できる」
「話が飛ぶ」ではなく「思考が多次元的である」
そんなふうに、特性の言い換えが行われていくかもしれない。
その時、ADHD的な特性を持つ人々は、今までとは違った評価軸で社会と接続できるようになるだろう。
発想の自由さを活かし、それを整える実務部分はAIが担う。
「思いつき」と「構造化」がひとつのチームになれる時代。
これからの社会が、そうした組み合わせを自然と受け入れていけるなら、創造性の幅は大きく広がっていくはずだ。
おわりに──「多様な脳」が生きやすくなる社会の兆し
すべての人が「標準化された生き方」に収まらなくてもいい。
多様な思考、多様な発想、多様な働き方があっても、そこに“翻訳者”としてのAIがいれば、社会との接点は作り直せる。
それは一部の人にとってだけでなく、あらゆる“個性”を持つ人々にとって希望のある未来を意味しているのかもしれない。
思考がとめどなく続くことも、次々に浮かぶアイディアも、かつては「やっかい」と言われたかもしれない。
だが今は、それが資源になる時代が来つつある確かな予感がある。
静かに、しかし確実に。
補足
ADHDとは?
ADHD(注意欠如・多動症/Attention Deficit Hyperactivity Disorder)は、集中力が続かない、不注意なミスが多い、じっとしていられない、衝動的に行動してしまうといった特性をもつ発達障害のひとつです。生まれつきの脳の働きの違いによるもので、大人になっても続くことがあります。一方で、アイデア発想の豊かさや行動力など、強みとされる面もあり、環境やツール次第で力を発揮する人も多いです。
千本ノックとは?
千本ノック(せんぼんノック)は、野球の守備練習で同じような打球を繰り返し打って捕らせる訓練のことです。精神的にも体力的にもきつい練習として知られています。そこから転じて、「繰り返し試される」「次々に問いかけられる」といった意味でも使われます。記事中では、AIに対して大量のアイデアを次々に試すという文脈で、この表現が比喩的に使われています。


