苔テラリウム、はじめてみたくて──運命の一株を探す日々
苔との運命的な出会いを待っている
きっかけは、たぶんYouTubeだったと思う。
自動再生で流れてきた短い動画。そこに映っていたのは、丸いガラス瓶の中にしっとりと佇む苔。
小さな世界なのに、なぜかずっと見ていられる不思議な魅力があった。
いわゆる「苔テラリウム」というらしい。
その響きも含めて、なんとなくいいな、と思った。
植物好きな自分にはちょうどいい
もともと家庭菜園が好きで、植物を育てることにはあまり抵抗がない。
ベランダでちょっとした野菜を育てたり、鉢植えをいじったりするのは昔から好きだった。
ただ、家の中——とくにリビングの窓辺がちょっと味気ないなと感じることが最近多くて。
何か緑を置きたいけれど、そこまで日当たりも良くないし、水やりを忘れると枯れてしまうのも心配だった。
その点、苔は日光をそれほど必要としないし、水やりも頻繁じゃなくていいらしい。
多少のことでは枯れないというのは、忙しい日々にちょうどいい。
お手軽で、しかも見た目がかわいい。
これは一度やってみたい、と思った。
材料は揃った。あとは…
とりあえずAmazonでそれっぽい丸っこい瓶と、水槽用の砂っぽいものを注文した。
本当にこれでいいのかはよくわからないけれど、最初は形からでもいいかなと思って。

あとは、主役となる苔を見つけるだけ。
なのだけど……これがなかなか見つからない。
そこかしこにあるけれど
苔そのものは、案外あちこちに生えている。
ブロック塀の根本、石垣のすき間、公園の木の根元。
ちょっと湿った場所を探せば、それなりにかわいらしい苔たちがいる。
けれど、「これだ!」と思えるような運命の一株には、まだ出会えていない。
苔にもいろんな種類があって、丸くふかふかしたもの、色味が明るいもの、じんわり伸びるタイプ……。
どれもそれなりに可愛いけれど、なぜか決め手に欠ける。
瓶の中に収めたときの姿を想像して、いまひとつピンと来ないまま、時間だけが過ぎている。
それでも、もう少し探してみる
最近では、外を歩くときも、地面ばかり見てしまう。
ブロック塀の付け根にしゃがみこんだり、植え込みの影をのぞき込んだり。
他人から見ればちょっと怪しく映るかもしれないけれど、自分としては真剣だ。
苔テラリウムに必要なのは、ちょっとの材料と、ほんの少しの根気。
たぶん、どこかで「これだ」という出会いがあるはずだと思っている。
そしてその一株が、窓辺の味気なさをそっと変えてくれるような気がしている。
運命の苔を探す日々は、もうしばらく続きそうだ。
でも、それはそれでちょっと楽しい。
出会ったときには、きっと名前をつけてやろうかなと思っている。



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